対談


2022年11月29日
【Courage Labインタビュー】「クライアントのビジネスを成長させることに知恵を尽くす」
Courage Labは、課題に向き合い克服した先駆者や事例のご紹介、異能人材とのコラボレーション活動や企業と人の「勇気」に寄り添うために開発したソリューションなどの紹介をする特集企画。
今回は電通コンサルティングでシニアコンサルタントを務める蓮實良尚(はすみ よしなお)さんへのインタビューの内容をお届けします。
>目次<
前編
● 営業からストラテジックプランニングへ、電通グループでの20年
● 「積み上げの棚卸」としてビジネススクールへ、MBAを取得
● 戦略コンサルタントとしてのキャリアを選んだ理由
● 「クライアントのビジネスを成長させることに知恵を尽くす」
営業からストラテジックプランニングへ、電通グループでの20年

―――電通コンサルティング入社までのご経歴を教えて頂けますか?
蓮實:電通グループの広告会社に新卒で入社し、営業職を経た後メディアの担当部門でテレビ局の窓口として広告枠の買付や共同企画の立案やプロモートの支援をしていました。その後メディアマーケティングに転じ、ターゲットに適したメディアのフォーメーションを考える業務を経て、ストラテジックプランナーとしてコミュニケーションの戦略設計を行っていました。具体的には、ターゲットのインサイト(生活者の根底にある願望や本音)を探り、訴求対象となるプロダクトやサービス等を繋ぎ、どのような体験を生み出すかといったことを考えていました。
並行してブランドのコンサルティングにも注力していました。ブランドのコアな要素である提供価値や10年後の姿を決めないまま進んでいる企業や事業に対して、「その会社の保有するアセット」や「事業として取り組んできたであろう本来の提供価値」の棚卸をテコにブランドのビジョンやコアバリューを見直す支援をしていました。企業のブランディングの定義・再定義をする際は、電通の「ハニカムモデル」と呼ばれるフレームワークをよく活用していましたね。
それらの仕事を20年程経験する間に2014年から夜間のビジネススクールに通いMBAを取得しました。
詳しくはこちら:電通報「社会と共創するためのフレームワーク(2)」
「積み上げの棚卸」としてビジネススクールへ、MBAを取得
―――ビジネススクールへ入学した理由は何ですか?
蓮實:クライアントが直面する課題に対して、都度勉強することを繰り返していく内に、自分の中でアプローチやソリューションに関する知見が積みあがってくる何となくの実感がありました。一方で、それら積み上げたものを体系的に再整理して、自分にとってより扱いやすいものにしていく必要があると感じていたからです。これまでのマーケティング活動によって得た知識の棚卸し・体系化をすることができました。
また、戦略やファイナンス、アカウンティング、人的資源管理、組織行動などといったMBAのコア科目を学ぶことで、経営の全体像に対する理解も深まりました。
戦略コンサルタントとしてのキャリアを選んだ理由
―――ストラテジックプランニングやブランドコンサルタントを経て、戦略コンサルタントとしてのキャリアを選んだ理由を教えて頂けますか?
蓮實:電通コンサルティングに入社する以前から、ビジョン策定などに触れる機会はありましたが、「策定されたビジョンとビジネスにおける価値創造の実態が必ずしもつながっていかないことが多くある」ように感じていました。この間を埋めるためには、ビジョンの策定から事業の戦略・計画・実行までを一貫して支援できる状況を作っていく必要があるのではないかと考えていたのです。事業を組み立て、社内に伝播させるための組織づくりに関われるコンサルティングファームを見るようになりました。
―――広告領域から戦略領域への転身となりましたが、心がけていることはありますか?
蓮實:右脳畑でずっとキャリアを積み上げてきましたので、今はロジカルであることを常に意識しています。プランナーだった頃は「美しくジャンプする」ことを大事にしていましたが、そのような右脳ドリブンの思考を自己矯正し、右脳と左脳とちょうど良いミックスができる状況を模索しています。
広告会社から転職して最初の3か月はコンサル流のドキュメントを書くのに大変苦労しました。ドキュメントは思考を見える化したものなので、今でも到底満点のものが作れているとは思えませんが、この領域はコンサルタントである以上、日々アップデートしていくものだと思い、研鑽を重ねていきたいと考えています。
「クライアントのビジネスを成長させることに知恵を尽くす」
―――コンサルタントとしてのやりがいはどのような点でしょうか?
蓮實:支援したプロジェクトでポジティブな反応や成果を得られたときはやりがいを感じますね。広告キャンペーンはテーマによっては比較的短期に成果を確認できる一方、コンサルティングファームで着手する案件はそれと比べると成果の獲得までに時間がかかることが多いです。よって、クライアントの方々から「自社のビジネスがどうあるべきなのかの解像度があがった」「これまで検討のスコープ外だったところまで踏み込むことができた」というようなことをおっしゃってもらえることは非常にやりがいを感じます。クライアントのビジネスを成長させるために知恵を尽くすことが私の喜びですね。
―――クライアントと仕事をするうえで大切にしていることはありますか?
蓮實:極めて当たり前のことですが、受けた案件に対して「誠実」であることは意識しています。クライアントの高い期待値に対して、時間がない中でもごまかさずに向き合う。コンサルタントは売るべきプロダクトが決まっている仕事とは異なり、どこまでいっても置かれた状況とどのように向き合うといった、個人としての有り様や姿勢が求められます。そのために必要な研鑽を積み上げ、クライアントのビジネスが成長していくことを常に意識してプロジェクトを推進するようにしています。
―――ありがとうございました。後編では蓮實さんが手掛けるBtoB企業向けの新たなソリューションについて伺います。
●今回インタビューした方
蓮實良尚(はすみ よしなお)さん
電通コンサルティング シニアコンサルタント

大学院商学研究科専門職学位課程(現経営管理研究科)修了。経営管理修士
電通グループの広告会社にてコミュニケーション領域の戦略策定やブランドコンサルティングに従事。2020年より電通コンサルティングへ参画。
現在は、民間企業の中期計画における注力領域策定や機能別組織の立上をはじめ、公共部門の振興計画策定まで幅広いプロジェクトに従事
電通コンサルティングは、Courage Labの取組みを通じて、異能連携のアプローチによる多様なメニューをご提供。社会・都市・企業・事業・組織の様々な課題に向き合い変えていく人の「勇気」に寄り添い、支援してまいります。