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ブランド戦略とは?策定のポイントと実行フェーズにおける要諦

市場環境が急速に変化し、企業間の競争が激化する中、ブランディングの重要性がますます高まっています。
 
一言で「ブランディング」といっても、人によって捉え方は大きく異なります。例えば、ある方にとってはブランドアイコンやスローガンを指し、また別の方にとっては顧客との信頼関係を築くための包括的な戦略を意味することもあるでしょう。市場で持続的な競争優位性を確立するためには、ブランドをイメージ戦略に終始させず、事業戦略と整合させ、一貫性をもたせることが重要になります。
 
本記事では、ブランド戦略の基本から、ブランディングにおける成功要因を解説。事業成長につながるブランド戦略の構築に関心をお持ちの経営層や事業責任者の方々に向けて、今日から活用できるブランド戦略の実務的なヒントをご紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.ブランド戦略とは
  2. 2.ブランド戦略を基盤としたブランディングの全体像
  3. 3.ブランディングを成功させるポイント
  4. 4.まとめ
  5. 5.電通コンサルティングの『ブランド戦略・ブランディング支援』


ブランド戦略とは

◆1. ブランド戦略の定義

ブランド戦略とは、企業が持続的な競争優位性を確立するために、自社ブランドの価値を計画的に構築・維持する手法です。単なるロゴやスローガンの設定ではなく、企業理念や提供価値を市場に効果的に伝え、ステークホルダーとの強い関係を築くための包括的な計画です。


◆2. ブランド戦略が必要な理由

ブランド戦略は、企業の長期的成長を支える経営基盤です。商品やサービスの品質だけでなく、企業の価値観や社会的責任を含めたメッセージを体系的に伝えることで、顧客との信頼関係を構築し、企業の無形資産価値を高めます。また、明確な差別化を可能にすることで、価格競争に巻き込まれず、持続的な競争優位性を実現しやすくなります。
 
現代においては、デジタル化・グローバル化により顧客接点が多様化しているため、統一感のあるブランドイメージを醸成するための統合的なブランディングが求められており、ブランド戦略の重要性がますます高まっています。


ブランド戦略を基盤としたブランディングの全体像

ブランド戦略を基盤としたブランディングの全体像

本章では、ブランドがどのように企業活動全体へと組み込まれていくかを段階的に解説します。各プロセスは独立しているようでいて、前段の取り組みを踏まえつつ次の段階へと進む構造になっており、ブランドアイデンティティが社内外に浸透するだけでなく、最終的には事業戦略にまで昇華されていくことがポイントです。

◆1. CIVIブランディング

CIVIブランディングでは、企業としての理念・ビジョンや価値観、行動指針を明確にし、ブランドシンボルやロゴのような視覚的表現やスローガンのような言語的表現でその内容やイメージを伝えます。これらは、企業の認知向上や信頼構築の土台として重要な役割を果たします。


◆2. ブランドコミュニケーション

ブランドコミュニケーションは、CIVIブランディングで構築されたブランドアイコンを基に、社内外のステークホルダーへの発信を強化します。多様なメディアを活用して一貫したブランドイメージを醸成します。

◆3. ブランド起点での顧客体験設計

ブランド戦略を顧客体験に反映させることは、顧客に直接的な価値を届けるための重要なプロセスです。ブランド価値を単なるメッセージで終わらせず、顧客に実感してもらうために、マーケティングと連携したブランド体験を設計します。一貫してブランド価値を感じられる仕組みを作り上げることで、ブランド戦略を具現化します。


◆4. ブランド戦略と事業戦略のアラインメント


ブランド戦略と事業戦略の整合性を取ります。具体的には、ブランド基点での顧客体験を実現するために、組織体制の構築、ITインフラなどの設備の整備、データの利活用、適切な予算計画の策定などを実施します。


ブランディングを成功させるポイント

ブランディングを成功させるポイント

ブランド戦略の成否は、企業のイメージアップに留まらず、事業成長への貢献度で判断されるべきです。ブランド戦略を事業成長に結びつけるためのポイントとして、以下の4点が挙げられます。

◆1. 未来を向いたアイデンティティの定義

効果的なブランド戦略の基盤となるアイデンティティは、現在の市場環境だけでなく、未来を見据えて定義することが重要です。各部門の意見を寄せ集めた表層的なアイデンティティではなく、未来に向けた明確なビジョンに基づく定義により、組織全体が同じ方向を向いて進むことができます。これにより、より強固なブランド像の構築が可能になります。

◆2. 社内における共通認識・共通理解の徹底

定義されたブランドアイデンティティを社外に発信する前に、まずは社内浸透を徹底し、共通認識を醸成することが重要です。社員一人ひとりがブランドアイデンティティについて同じ理解をし、共感を醸成することで、社外への一貫した発信を実現することができます。


◆3. 一貫性のあるカスタマージャーニーの設計

すべての顧客接点において、ブランド戦略を軸とした一貫したブランド体験を設計する必要があります。例えば、テレビCMが訴求するイメージと販売店での接客態度がちぐはぐな場合、一貫したブランドイメージを醸成することができません。認知から購買、利用・共感に至るまでのカスタマージャーニーを俯瞰的に捉え、一貫したブランド体験を提供すべきです。

◆4. 部署の垣根を超えた緊密な連携

複数の部署が緊密に連携し、ブランド戦略と整合した一貫性のある事業戦略を構築する必要があります。例えば、コーポレートブランディングを担当する広報部門と、マーケティング部門が連携していないと、発信するメッセージがちぐはぐになるリスクがあります。ブランド戦略を軸とした適切な組織体制の構築、連携を促進するKPIの設計、ナレッジシェアの促進などを実施しましょう。


まとめ

市場環境が急速に変化する現代において、ブランド戦略の重要性はますます高まっています。効果的なブランド戦略は、単なるイメージ戦略ではなく、企業の持続的な成長を支える重要な経営基盤となります。
 
強固なマーケティング戦略と結びついたブランド戦略を構築し、それを着実に実行するブランディングを展開することで、企業は市場における確固たる地位を築き、新たな価値を生み出し続けていくことができるでしょう。


電通コンサルティングの『ブランド戦略・ブランディング支援』

株式会社電通コンサルティングは、BtoCまたはBtoBを展開している企業に向けて、事業成長につながるブランド戦略を支援する「グロース特化型のコンサルティングファーム」です。

◆Branding For Growth

事業を変革して確かなビジネス成果につなげることを加速させるブランディングプログラムです。事業変革のビジョンやブランドアイデンティティの明確化から、新たなビジョン・アイデンティティを体現する事業構造・ブランド構造の設計、さらには顧客や社員の意識や行動を変え定着化・習慣化する営業・マーケティング変革や組織風土・人財変革、など、変革活動全体を組織の垣根を越えて会社全体で連携できるように一体で支援します。
「Branding For Growth」の詳細はこちら

◆財務価値向上に繋げるブランディング

ブランドを通じた事業価値の向上と収益貢献の実現を支援します。主にBtoB企業を対象に、「社会・生活者」「顧客・事業上のパートナー」「社員」という3つのステークホルダーに対し、発信活動と事業活動の連動を重視した戦略を策定。施策設計から実行計画まで、実践的なアプローチでサポートします。
「財務価値向上に繋げるブランディング」の詳細はこちら

◆マーケティング戦略・ブランド戦略策定による持続的競争優位確立支援

BtoC企業・BtoB企業に対し、市場と顧客の理解を起点に、一貫性あるカスタマージャーニーを設計しながら、主に機能的価値を訴求するマーケティング戦略と、主に情緒的価値を訴求するブランド戦略をあわせて競争優位を築く支援を行います。
「マーケティング戦略・ブランド戦略策定による持続的競争優位確立支援」の詳細はこちら


◆生活者起点による産業構造転換の未来予測に基づく未来のなりわい・企業パーパス策定

生活者価値観の変化ドライバーを抽出し、フレームワーク「ダブルクローバー」により産業構造転換の未来を予測します。この構造転換の成功要因の整理を踏まえ、企業として取り組むべき事業領域(未来のなりわい・未来のブランドアイデンティティ)を定義し、社会への価値提供のあり方を企業パーパスとして策定します。
「生活者起点による産業構造転換の未来予測に基づく未来のなりわい・企業パーパス策定」の詳細はこちら


◆組織内個人のパーパス体現までカバーするコーポレートパーパスによる社内変革支援

「ボウタイフレーム」の特徴である広いステークホルダーへのヒアリングを通し、企業・組織全体からパーパスの構成要素を抽出するとともに主体性醸成も図ります。それら要素をもとに企業パーパスを策定しつつ、戦略/KPI/施策設計まで一気通貫、最終的に各ステークホルダーと具現化し組織浸透(社内における共通認識・共通理解の徹底、共感の醸成)と変革を図ります。
「組織内個人のパーパス体現までカバーするコーポレートパーパスによる社内変革支援」の詳細はこちら


クリエイティブ起点で捉えられがちなブランドを、当社では「クリエイティブを含めたビジネス」起点で捉えて、ブランド戦略をマーケティングに裏打ちされた戦略として策定します。電通グループ各社との連携により、探索・構想・計画・実行まで一気通貫で切れ目なく支援できることが当社の強みです。ぜひご検討ください。

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