地域共創とは?地方創生との違いと電通コンサルティングの取り組み

人口減少や高齢化により、日本の地域経済は縮小傾向にあります。そんな中、デジタル技術を活用した地域活性が多くの地域で進みつつあり、地域におけるさまざまな課題を解決する手法として注目されています。

今回は、地域共創の基礎や押さえておきたいポイント、株式会社電通コンサルティングの取り組み等について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.地域共創と地方創生の違い
  2. 2.地域共創が注目される背景
  3. 3.地域共創を進めていくために必要なこと
  4. 4.電通コンサルティングの地域共創への取り組み
  5. 5.地域共創の取り組みによる期待効果
  6. 6.電通コンサルティングの地域共創事例
  7. 7.まとめ
  8. 8.電通コンサルティングの『地域共創プラットフォーム』


地域共創と地方創生の違い


地域共創は、地域が抱える課題を解決し、理想の未来像を実現するためのビジネスであり、行政・小売り・金融・メディア等のさまざまなステークホルダーを巻き込んで地域を活性化していく活動を指します。

地方創生とは、日本政府が打ち出した政策の呼称であり、地域の人口減少と地域経済の縮小の課題を解決するための方針のことを指します。

つまり、国策である地方創生を実現するための有効な打ち手が地域共創であると整理できます。


地域共創プラットフォームとスマートシティとの違いについてはこちら >>
【3分解説/図解あり】「地域共創プラットフォーム」の概要



地域共創が注目される背景


近年、地域において若年層の流出や少子高齢化が進んでおり、地域の労働力や産業が衰退傾向にあります。また、東京への一極集中により、情報や経済の格差拡大や、地域におけるコミュニティやサービスの質の差が生まれています。

さらに、これまでは地域金融機関やメディア企業等が、地域経済の中心的な役割を担ってきましたが、今後は地域の人口減少の影響を大きく受けることが予測されます。そのため、県外誘客やインバウンドの取り込みによって損失を補うなど、さまざまな課題への対応が求められています。

このような状況下において、地域生活者・事業者・行政と連携しながら地域循環型のモデルを確立させることで、地域を活性化させることが急務です。同時に、政府もこのような課題に対して、デジタル技術の活用により地域の活性化を目指す『デジタル田園都市国家構想』を打ち出しており、デジタル技術の活用による効果が期待されています。


地域共創を進めていくために必要なこと


1. 地域のありたき姿を定義する


地域共創を進めるためには、まず地域のありたき姿を定義することが大切です。地域の特性や県民性、地域課題を踏まえて未来を予測し、パーパスを策定します。目的の明確化は、共感する人材や共創パートナー、資金を集めることにつながっていきます。


2. 地域民間企業同士が連携し推進する


未来の理想像に近づくために、各地域の民間企業が連携し、共創していける仕組みづくりも必要です。地域経済の中心的な役割を担ってきた地域リーダー企業を中心に連携し、地域の特性や課題を踏まえたデジタルサービスを提供することで、地域生活の質を向上させると同時に、情報×消費の地産地消化を促進させます。


3.生活者や行政を含めたさまざまなステークホルダーを巻き込む


これまで地域経済の中心的な役割を担ってきた地域金融機関やメディア企業等も、今後は人口減少や高齢化の影響による活力の喪失が予測されます。そのため、生活者や行政を含め、地域の多様なステークホルダーを巻き込み、地域の特性を踏まえた価値の循環モデルを構築することが急務となっています。


4. 未来のありたき姿から逆算する構想ステップと実効力を伴う実行体制


地域共創は、地域生活者のQOL向上、SDGsや気候変動・脱炭素といったテーマ等が原動力となります。このような中長期的な取り組みを実行する際には、「こうありたい」という未来のゴール地点を明確に描き、そこからさかのぼる形で、現段階でやるべきことを決定するバックキャスティングの方法が有効です。そして、事業構想を描くところから事業の立ち上げ、サービスの実装に至るまで、戦略を実行へと継ぎ目なく落とし込んでいくことが必要です。


電通コンサルティングの地域共創への取り組み


1. 地域特性・県民性を活かしたパーパスの策定


株式会社電通コンサルティングでは、各地域の特性や県民性を活かした各地域独自のプラットフォーム事業のパーパス・ビジョンを共創するプロジェクトを推進しています。地元に根付き、長年地元の生活者に寄り添ってきた地域事業者が、地域のありたき姿であるパーパスのもとにつながり、事業を推進していくための連携を図ることを大切にしています。そのためにパーパスの策定からスタートしています。


2. 地域民間企業を巻き込み、地域共創会社(JV)を設立


『デジタル田園都市国家構想』実現に向けた国による“トップダウンアプローチ”に対し、当社では生活者IDを起点とした“ボトムアップアプローチ”の取り組みを進めています。具体的には、複数の企業が互いに出資し新しい事業を行う地域共創会社(JV、ジョイントベンチャー)を設立し、地域の複数の民間事業者主導による持続的な組織と運営体制を構築していきます。


3. 地域生活者、地域事業者、行政の三方への価値設計をしたスーパーアプリの構築により、サービス利用を促進


さまざまなステークホルダーを巻き込み持続的な事業運営を推進していくために、生活者、事業者及び行政にとってのそれぞれの価値を設計し、3サイドのプラットフォーム(地域版スーパーアプリ)を構築しています。生活者が一定数いなければ、事業者や行政がアプリ上でサービスや施策を展開するメリットがなく、またその逆もしかりで、あらゆるサービスがないと生活者の利用促進を促すことができません。よって三方にとっての価値を設計し、サービス利用を促進させることも、株式会社電通コンサルティングでは力を入れています。


4. 電通グループ横断で、一気通貫で伴走し実効性高くプロジェクトを推進


電通グループでの連携により、構想を絵に描いた餅で終わらせず、実効性を伴うプロジェクトの推進が可能となっています。構想から実装まで一気通貫で伴走し、グループ内外の各社と連携した柔軟なプロセスを提供することが可能です。


地域共創の取り組みによる期待効果


1. 地域生活の質(QOL)を向上


地域に根差す民間企業が主導となり、地域生活者のため、地域事業者のため、行政のため、地域生活をより楽しく快適に過ごすためのパーパスのもとに集まり、事業を推進していくことで、地域内での生活の質(QOL)の向上につなげることができます。


2. 地域CRM基盤構築による地域民間企業の収益性の向上と行政の生産性向上


地域の民間企業各社がそれぞれ会員基盤を持っていますが、個社ではリーチしきれない顧客層が存在し、すべてのデータをカバーすることはできていません。地域の各企業が連携し、生活者向けのサービスを拡充することで、地域生活者に占める地域IDの登録者数を増やすことができます。

また生活者の情報を多面的に得ることができるため、個々のニーズに合う新事業・サービスを展開することにより、新規顧客の獲得や、既存顧客の客単価向上による収益性向上が実現します。

また、行政にとっては、域内で使用できるポイント付与等、地域CRM基盤を活用し、地域経済活性に関わる取り組みを実施する上で、行政業務にかかる手間やコストの削減が可能になり、生産性向上にも寄与します。


3. 情報と消費の地産地消化の促進による内需の拡大


事業者と生活者双方の利用促進のため、双方に対する価値設計をし、使い続けたくなるサービス設計をしています。これまで分断化されていた地域生活者が、この基盤によって、情報を取得し、移動から決済に至るまでのジャーニーを継ぎ目なくつなぐことによって、潜在需要を喚起し、地域内での消費の活性に繋げることができます。


4. 地域事業者を主軸とした新たな事業立ち上げによる地域活性化


単体事業を考えスタートするのではなく、新たに設立したJV(地域共創会社)のありたき姿の全体を構想・設計したのち、会社設立方針に組み込んでいくという、構想から計画、実装に至るまで伴走することで、全体を踏まえた取り組むべき事業と、後続事業のプロセスが整理できます。

また、構想の中で、地域におけるありたき姿を実現するために、行政政策に連動した事業推進を検討することができます。そして、実効性を伴う事業推進により、構想だけで終わらない、事業の具現化が可能となり、地域活性のための新たな柱を確立することができます。


地域共創の取り組みが各ステークホルダーにもたらす具体的なメリットについてはこちら >>
【3分解説/図解あり】地域共創プラットフォーム導入によるメリット


電通コンサルティングの地域共創事例


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まとめ


昨今の人口減少や高齢化、東京への一極集中の影響で地域経済の衰退が懸念されるなか、地域共創プロジェクトが注目されています。デジタル技術を活用し、地域の持つ力を引き出すシステムをつくることで、地域の課題を解決し、持続可能な社会発展を目指すことができます。

地域のより良い未来のために、民間企業同士で連携して共創し、社会や人とともに企業を成長させ、地域を活性化させていきましょう。


電通コンサルティングの『地域共創プラットフォーム』


株式会社電通コンサルティングでは、地域金融機関や地域メディアを始めとした有力企業に向けて、地域共創プラットフォームの事業構想策定や事業立ち上げを支援する「グロース特化型のコンサルティングファーム」です。

・地域のリーダー企業を中心に民間企業を巻き込み運営体制を構築します。地域特性や地域課題を踏まえて、ありたき姿を言語化し、地域生活者に刺さる“キラーサービス”を打ち出します。さらにサービスモデル・ビジネスモデル・収支モデルを検討し、事業構想書を具体化していきます。

・受容性・実現性検証を基に事業運営スキームや投資・収支計画、マーケティングプランを検討していきます。また、投資意思決定に資する事業計画書を具体化します。

・事業運営組織の構築から、UXデザインやサービス設計、システム開発・テストを経てマーケティング活動開始まで、事業立ち上げに関する全ての過程において伴走支援します。

電通グループ各社との連携により、探索・構想・計画・実行まで一気通貫で切れ目なく支援できることが当社の強みです。ぜひご検討ください。


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